指導員

【模範解答有り】自動車学校の先生になろうとしている方|指導員になるための勉強法

こんにちは、kさんです。

ある教習生の方から「自動車学校の先生って教える以外に何をしているの?」と聞かれたので、これから、仕事を探す人や、自動車学校の先生の仕事ってどんな事?と疑問を持っている方に向けて情報を発信しようと思い、この記事を執筆しました。

簡単な自己紹介(kさん)
現役指導員として日々、教習生に運転を教えています。
指導員審査は1回の審査で合格。
私の住んでいる所では、ほぼほぼ居ないのだとか...
教えられる資格は、普通車、大型二輪、普通二輪、準中型、中型、大型になります。

※この記事は、自動車学校の先生(指導員)を目指そうという方に向けた記事となります。

自動車学校の先生(教習指導員)とは

自動車学校の先生(教習指導員)とは、文字通り、自動車免許の取得に向けて教習生に対し、運転を教える人の事をいいます。

また、運転を教えるだけではなく、運転に大切な要素である知識(学科)を教える必要もあります。

「え?私、運転上手いからなってみようかなあ。。

「いえいえ、そんなに甘い世界ではありません。

「ただ横に乗って運転を教えるだけでしょ?

そんな単純な仕事ではないんです!

もちろん、慣れてくると多少のイレギュラーが起こっても冷静に対処し、問題なく教習できるかもしれません。

しかし、初めて車に乗って操作を覚えようとする方の中には、育ってきた環境やこれまでの人生においての経験が十人十色なんです。

そんな中で、その人に合った指導方法を選択するのはとても難しいことです。

ですが、教習指導員の仕事【国家資格】になります。

手に職をつけたい方や人と接する仕事に就きたい方、自動車が好きな人、人に何かを教える仕事に興味がある方はぜひ最後まで読んでいただければと思います。

教習指導員になるためには?

教習指導員になるためには、その県の教習指導員資格審査、という試験に合格する必要があります。

その資格審査は、21歳以上で、受験する車種の運転免許を持っていれば、受験する事ができます。
※現在、AT限定教習指導員資格というのは無いため、AT限定免許をお持ちの方は、MT免許を取得する必要があります。

しかし、この審査を受けるためには、もう一つ条件があります。

それは、まず自動車学校に勤務し、公安委員会が定めている「事前教養」と呼ばれる講習を受けなければなりません。

この事前教養は、1時限50分とし、90時限以上あります。

「この事前教養が辛かった...

事前教養の全てを受講し終わって、はじめて指導員審査を受けられるため、道のりはとても長いです。

教習指導員資格審査の項目は?

教習指導員の試験は、年3回~年4回(各都道府県による)実施され、数日間に渡って実施されます。

審査は、筆記による審査、運転技能の審査、面接の審査の3つに分類され、さらに細かく分けると全部で6項目あります。

「そんなにたくさんあるの...1回じゃとても無理ですよ...

「安心してください、1度合格した項目については有効期間が1年間あるので、1年を通して6項目合格すれば良いです。

それでは、さらに細かい分類についても解説をしていきますね。

気になる模範解答については記事の後半で紹介するので、早く知りたい!という方は目次からチェックしてみてください。

筆記試験の内容

筆記試験は、【教則】【自動車教習所に関する法令についての知識】【教習指導員として必要な教育についての知識】の3つになります。

それぞれ解説をします。

教則

教則は、交通ルールに関する正誤式100問のうち、95点以上を取らなければなりません。

教習生に対して、正確な知識を伝えるわけですから、交通ルールについては正しく知っておかないといけませんよね。

自動車教習所に関する法令についての知識

85%以上の成績で合格となります。

自動車教習所に関する法令とは、自動車学校を構成する要素について、【指定自動車教習所実務必携】に書かれている内容をほぼ丸暗記しなければなりません。

「法令」という言葉が使われている通り、法第◯条第◯項という文面を覚える事や書かれている内容によってはニュアンスがあっていれば良い、というだけでは不正解と判断されてしまう場合もあります。

(例)

      • 教習指導員は、学科、技能のいずれについても指導する者であり、教習生に与える影響は極めて大きいと考えられるところから、教習指導員に法定の資格を有する者として責任と自覚を持たせるため、次のように資格要件が定められている。
      • 1、教習指導員に該当する者
        • 公安委員会の発行する教習指導員資格者証の交付を受けている者でなければ教習指導員になることができない。
        • (1)自動車の運転に関する技能及び知識の教習に関して、公安委員会が行う審査に合格した者。
        • (2)自動車安全運転センターが行う自動車の運転に関する研修課程で、国家公安委員会が指定するものを修了した者。
        • (3)自動車の運転に関する技能及び知識に関して、上記の者と同等以上の技能及び知識があると公安委員会が認めた者。
      • 2、教習指導員に該当しない者
        • (1)21歳未満の者。
        • (2)偽りその他不正な手段により、教習指導員資格者証の交付を受けた事により、又は教習指導員の業務に関し、不正な行為を行い、その情状が教習指導員として不適当であるとして教習指導員資格者証の返納を命ぜられ、その返納の日から起算して3年を経過していない者。
        • (3)過去3年以内に卒業証明書又は修了証明書の発行に関して不正な行為をした者。
        • (4)偽りその他不正の手段により、免許証の交付を受けた罪により罰金以上の刑に処せられ、その執行を修了し、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過していない者。
        • (5)自動車等の運転に関し、業務上過失致死傷罪又はこの法に規定する罪(偽りその他不正の手段により免許証の交付を受けた罪を除く)を犯し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を修了し、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過していない者。
      • 以上の事から、教習指導員は安全運転者を育成するため、日々研鑽に努めなければならない。

 

教習指導員の資格要件を論じよ、という出題の場合は、上記の例を一言一句間違えずに書かなければなりません。

「も、もう無理なんだけど...

「私もこの勉強をしていた際に、違う勉強をしていれば東大に入れたのでは?と思いました

それくらい勉強をしなければならない、という事を知っておいてください。

教習指導員として必要な教育についての知識

教育知識については、80%以上の成績で合格となります。

この項目については、お堅い文章を覚えるのではなく、学科教習、技能教習をおこなう際に、どのような事に気をつければ良いのか、どういう風に教習を進めていけば良いのか、といった内容となります。

    • 路上教習と事故防止
      • 安全な運転者育成のために重要な路上教習は、以下の点に留意し、万全の注意を払って事故防止に努めなければならない。
        • (1)常に自らハンドルを握っている以上の注意力と緊張を保つこと。
        • (2)交通の動き、流れが教習所内と異なり、ときには他の交通が予想外の動きをすることをあらかじめ認識しておくこと。
        • (3)指示や援助操作の時期が遅れないよう、早すぎるくらいの措置が必要であること。
        • (4)教習中の事故防止の「かまえ」に常に注意すること。
        • (5)教習生の技量を過信しないこと。教習生は指導員に依存しつつ、一人前だと思う複雑な心理状態にある。
    •  

内容としては(9)まであるのですが、割愛しました。

個人差はあると思うのですが、私は教育知識の方がすんなりと覚える事ができました。

面接による審査

技能教習、学科教習ともに80%以上の成績で合格となります。

面接による審査は、技能教習に必要な教育方法と学科教習に必要な教育方法という項目について、面接官(警察官)の出す質問に答えます。

私の住んでいる都道府県では、面接官の方が優しく、質問に詰まってしまった場合にはヒントのように答えを導いてくれるみたいです。

ただ、全く勉強していないと簡単に落とされてしまうので注意が必要です。

運転技能審査

運転技能審査については、85%以上の成績で合格となります。

運転技能審査は、文字通り、受験生の運転の実力を見る試験となります。

教習生に対して教える際にも「見本・手本」を見せなければならないので、運転の技術は必要不可欠となります。

運転は、マニュアル車で行うのですが、自動車学校の車で試験をするのではなく、各都道府県の免許試験場で保有している車を用いての試験となります。

「現役警察官の方が助手席、後部座席に2人でチェックされました...

警察官の人と接する事がない人生だった為、人生で一番緊張したかもしれません。

※余談

私が技能審査を受けた時のお話です。

私の審査の順番は6番目、他の受験者の方と待合ロビーで見守っていました。

さて、自分の番になり、スタート位置から警察官の合図に従って出発する訳ですが、出発後、カーブを曲がり一直線の道路で50km/hを出す、という課題がありました。

そこでハプニングが発生。

なんと、野犬が森から急に出てきて、道路を横断。

頭の中は真っ白、ぶつかる訳にも行か無いため、停止。

警察官の顔を見ると、苦笑い...。

一応、速度を出せるだけ出してみましょうか、と言われ為、試験続行。

課題速度を出せなかった為、不合格だと思い、気持ち的には「もうどうでもいいや!私の運転を見てくれ!こんなに上手いんだぞ!」と思って運転をしました。

その結果、なぜか「合格」。

あの日のワンちゃんには感謝してもしきれません。

あの出来事のおかげで緊張がほぐれていい運転ができたかもしれません。

 

所属する教習所にもよると思いますが、受診前には先輩指導員と一緒に免許試験場に行き、コースを走る上での注意点などを指導してくれるかと思います。

あとは空いた時間などでひたすらに練習を重ねれば決して、難しい事はないと思います。

教習指導員の1日の流れ

現役教習指導員としてのリアルな働き方の一例になります。

参考にしてみてください。

  • 朝9時に出社(始業時間は9:20~)、洗車やその日のスケジュールを確認
  • 9:20~朝礼開始
  • 9:30~12:20まで教習!(教習が入っていない指導員の方は事務所でのんびり...)
  • 12:20~13:15までお昼休み
  • 13:20~17:10まで教習
  • 17:40~19:30まで教習(この時間は残業時間となります)

大体の流れはこのような形となります。

私の所属する自動車学校は田舎なため、繁忙期(12月~3月)は毎日残業があり、主に高校生や大学生を対象に卒業まで教習をする流れとなります。

準繁忙期( 7月~9月)は主に大学生をメインに教習をしています。

それ以外の月はと言うと、新たな資格取得のために運転の練習や勉強をしてスキルアップをします。

教習指導員の仕事内容

教習指導員の仕事内容は、皆さんが想像する通り、運転を教える技能教習、運転に必要な知識を教える学科教習があります。

ただ、新型コロナウイルスの影響もあり、全国の自動車学校の在り方も変化しました。

それは対面式だった学科教習が「オンライン学科」に変わった事です。

オンライン学科というのは、教習生が自動車学校に行く事なく、自宅や出先で学科を受講できる、という事になります。

オンライン学科については詳しくこちらの記事で詳しく解説しますので、先に知りたい!という方はどうぞ!

就職を検討している方にとっても非常に重要な事なので必ずチェックをしておきましょうね。

教習指導員になるための勉強方法

教習指導員になるための勉強方法は、「反復練習」になります。

私は、文房具屋さんで販売されているノートを5冊分書き続けました。

所属する自動車学校によっても異なるかと思いますが、私の勤務先では午前中は受付業務、午後はひたすらに勉強時間、家に帰ってからも1時間以上は毎日勉強していました。

インターネットで「教習指導員 勉強時間」と検索すると、おおよそ70時間以上と書かれています。

個人的な意見としては、70時間でも足りないと思いました。

年間で試験を受けられる回数は決まっている為、1回で合格するぞ!という意気込みで勉強する事をお勧めします。

お勧めの勉強の順番

 まずは、教習所関係の法令について勉強する事をお勧めします。

理由としては、そもそも自動車学校の運営や成り立ち、構成について知っておかないと、その後学ぶ内容がただの棒暗記になってしまい、記憶の定着には繋がらないと思うからです。

その次に、教育知識。

関係法令ばかり勉強していると、堅苦しくなり勉強も長続きしません。

息抜きに人間味のある教育知識についての勉強をしましょう。

そして絶対に欠かす事のできない、運転の練習。

先輩指導員の方が空いているのであれば、運転を見てください、と色々な方にお願いをしましょう。

人によって着眼点が異なるので確実に技量アップできます。

そして、審査3週間ほど前から教則に取り掛かります。

曖昧な部分を無くし、確証を持って答えられるように万全の準備をします。

最後に、面接練習をするのがお勧めです。

面接練習は聞かれる内容をピックアップし、必ず答えられるよう準備をして仮想面接官と話している風に練習を行います。

まとめ

 これまで読んでいただきありがとうございます。

私がこれまで取り組んだ事をまとめ、伝えてきましたが、いかがでしたでしょうか。

必ず1回で受からなければならない、という訳ではありませんが、少しの油断もなく望んだ方が絶対に良いと思います。

受からないと記憶が薄れていく一方で、いつまで経っても受付業務や送迎業務を任されてしまい、モチベーションが下がってしまいます。

これまでに何人もの職員が資格審査に合格出来ず、挫折して退職していく姿を見てきました。

この記事を読んでいる方には絶対にそうはなってほしく無い、という気持ちです。

一発合格を狙って、自動車学校業界を一緒に盛り上げていきましょう。

-指導員